コーヒーを飲む習慣がある方の中には、「コーヒーを飲むとはげるって聞いたことがあるけど、本当なの?」と気になっている方もいるかもしれません。普段からよくコーヒーを飲む方は、薄毛になってしまうのではと不安になりますよね。
今回は、コーヒーが髪に与える影響について解説します。コーヒーと薄毛の関連性について詳しく知りたい方や、髪にとってよい習慣を身につけたいと考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
コーヒーを飲んだからといってはげることはない
結論からお伝えすると、適量のコーヒーを飲んではげることは考えにくいといえます。コーヒーには、直接的に薄毛へ影響を及ぼす成分は含まれていません。1日1〜3杯程度であれば、気にしすぎる必要はないでしょう。
ただし、飲み過ぎには注意が必要です。1日に5杯以上コーヒーを飲む方は、カフェインを過剰摂取してしまっている可能性があります。カフェインは刺激物にあたり、過剰摂取することで毛根にとって過度な刺激になってしまうことも考えられます。薄毛の原因になる可能性もあるので、適量を守ることは意識しておきましょう。
薄毛対策にコーヒーを飲むメリット4つ
薄毛対策にコーヒーを飲むことで期待できるメリットは4つあります。
- 利尿作用によるデトックス
- 血管拡張作用による血行促進
- カフェインによるAGAの原因物質抑制
- 香りによるリラックス効果
どれも科学的根拠があるわけではないので、目安程度に考えておいてください。
利尿作用によるデトックス
コーヒーには利尿作用があり、体内デトックスが期待できます。水に溶けやすい老廃物であれば、尿量が増えることで体外に排出されやすくなると考えられるためです。
老廃物が体の中に溜まりにくくなることは、薄毛だけでなく体全体にとってもメリットといえるでしょう。
血管拡張作用による血行促進
コーヒーを飲むことで、血液の巡りがよくなることも期待されます。コーヒーには、クロロゲン酸という血行促進作用のある成分や、血管拡張作用のあるカフェインが含まれているためです。
頭皮の血行が促進されると、酸素や栄養が髪に届きやすくなるメリットがあります。血流の良し悪しは、髪が育ちやすい環境作りに大きく影響するのです。
カフェインによるAGAの原因物質抑制
コーヒーにはAGAの予防効果が期待されています。コーヒーに含まれるカフェインが、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロンを抑制するといわれているためです。
現状、ジヒドロテストステロンの抑制効果をもつことが認められているのは、医療機関で処方される医薬品のみです。カフェインに医薬品と同じ効果が認められているわけではないので、あくまで可能性として認識しておきましょう。
香りによるリラックス効果
コーヒーの香りによるリラックス効果も、薄毛対策へのよい影響が期待されます。心や体がリラックスすることで、ストレスを軽減できる可能性があるためです。
過度なストレスはホルモンバランスの乱れや睡眠の質低下など、発毛や育毛に対して悪影響になるため、適度にストレスを解消することが大切。コーヒーの香りが好みの方は、ぜひ香りも楽しみながらリフレッシュする時間をとってみてください。
薄毛対策にコーヒーを飲むデメリット3つ
コーヒーは薄毛対策によい影響を与えることが示唆されている一方、デメリットも挙げられています。
- 覚醒作用による睡眠の質低下
- 亜鉛の吸収低下
- 利尿作用による睡眠不足
メリットと同様、髪の発育に悪影響を与えることが証明されたものではありません。可能性として考えられている程度であることを頭に入れた上でお読みください。
覚醒作用による睡眠の質低下
コーヒーに含まれるカフェインの覚醒作用による睡眠の質低下が考えられます。睡眠の質が低下して深く眠っている時間が短くなると、成長ホルモンの分泌が妨げられるので髪の発育には悪影響になってしまいます。
カフェインによって睡眠の質が低下するのを防ぐには、コーヒーを飲む時間に制限を設けておくのがオススメです。カフェインの覚醒作用は4時間程度持続すると言われているので、夕方以降はコーヒーを控えるか、カフェインレスコーヒーに切り替えるなど工夫してみてください。
亜鉛の吸収低下
コーヒーに含まれるクロロゲン酸やタンニンという成分の影響で、亜鉛の吸収が妨げられる可能性も示唆されています。ただし、明確な根拠のあるデータというわけではありません。
亜鉛は、体の中に取り込まれたアミノ酸が、髪の材料であるケラチンというタンパク質に再合成されるプロセスで必要な栄養素です。食事から摂取した亜鉛が吸収されにくくなることを不安に感じる場合は、食後のコーヒーを控えるまたはカフェインレスのものに替えるとよいでしょう。
利尿作用による水分不足
利尿作用により体内の水分が不足してしまうことも、懸念点として考えられます。髪の発育に必要な栄養や酸素は血液が運んでいます。水分が不足すると、血流が悪化して栄養や酸素が運ばれにくくなってしまうのです。
ただし、デトックス効果というプラスの面でも捉えられていることから、利尿作用そのものが悪いわけではありません。コーヒーは嗜好品として楽しむようにして、水分補給を意識的にすることが大切です。
コーヒーは適量を守って飲むことが大切
髪の発育を気にせずコーヒーを楽しむためには、1日あたりの適量を守ることが大切です。1日あたりの適量は、カフェインを基準にするのが分かりやすいでしょう。1日に摂取しても健康に影響がないとされているカフェインの摂取量は400mgです。また、1回あたりの最大摂取量は200mgまでに抑えるのが安心です。
コーヒーに含まれるカフェインは100mLあたり60〜80mgなので、マグカップであれば2杯半程度にしましょう。適量を守れば、髪への影響を気にすることなくコーヒーを楽しめますよ。
コーヒー以外に注意するべき生活習慣5つ
コーヒー以外にも、髪の発育に影響を与えうる習慣があります。
- 飲酒
- 喫煙
- 食生活の乱れ
- 運動不足
- 睡眠不足
それぞれの項目について、以下で詳しく解説します。
飲酒
お酒はコーヒーと同様、適量を守って楽しむことを心がけましょう。アルコールには血管拡張作用があるため、適量であれば血行促進により髪にもよい影響をもたらす可能性があります。
深酒や寝酒は睡眠の質を低下させたり、肝臓に負担をかけたりしてしまいます。睡眠不足はホルモンバランスやヘアサイクルを乱してしまうリスクも。また、アルコールの代謝に栄養素が消費されてしまい、髪の栄養が不足することも考えられます。
お酒の飲み過ぎは髪の発育以外にも多方面に悪影響を与えてしまうので、節酒を心がけましょう。
喫煙
タバコは、残念ながら髪の健康によいとはいえません。タバコに含まれるニコチンには毛細血管を収縮させる作用があり、血行不良につながってしまいます。生活習慣の見直しを考えている方は、禁煙を検討してみるのもよいでしょう。
ニコチンには強い依存性もあるため、自力で禁煙するのは難しいと感じる方もいらっしゃいます。禁煙外来で治療することも可能なので、選択肢の1つとして頭に入れておくとよいですね。
食生活の乱れ
食生活の乱れは、髪の発育に大きく影響するといえます。髪の毛は食事から摂取した栄養を元に作られるためです。たとえば炭水化物中心の食事が多くなると、髪の材料であるタンパク質が不足してしまうことも考えられます。
髪の毛に限らず、私たちの体は日々食べているものから作られます。サプリメントなども上手に活用しながら、できるだけ栄養バランスの取れた食事ができるよう心がけましょう。
運動不足
運動不足は血行不良を引き起こす要因の1つで、髪の発育にも関連があるといえるでしょう。髪の成長に必要な栄養や酸素は血液を介して運ばれるため、血行不良になると栄養や酸素が行き渡りにくくなってしまいます。
日常生活に運動を取り入れる際は、下半身を動かすウォーキングやジョギングなどがオススメです。下半身の大きな筋肉を刺激することで、血液循環を促しやすくなります。忙しくて運動する時間を確保できない方は、通勤時にエスカレーターではなく階段を使うなど工夫してみてください。
睡眠不足
睡眠不足はホルモンバランスやヘアサイクルの乱れにつながります。深く眠っている時間が短くなると、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌が低下してしまうのです。
睡眠不足をもたらす要因には、寝る前のコーヒー以外にブルーライトなどが挙げられます。就寝時間の30分前には、スマホを置いてリラックスするよう心がけてみてください。
まとめ
本記事では、コーヒーが髪の発育に与える影響について解説しました。コーヒーを飲むこと自体が髪に悪影響を及ぼすことは現時点で証明されていません。ただし、カフェインの過剰摂取は体に負担をかけてしまうため注意が必要です。
コーヒー以外にも髪に影響を与える可能性のある習慣を紹介しました。心当たりのある方は、できることから少しずつ変えることを意識してみましょう。なお、薄毛の要因は生活習慣だけではありません。AGAなどの疾患による可能性も考えられるので、少しでも気になる場合は専門クリニックの受診も検討してくださいね。