サイドの髪の毛が薄くなってきたと感じている方の中には、「このまま薄毛が進行したらどうしよう」「何か自分にできる対策はないのだろうか」と不安や疑問に思っている方もいらっしゃることでしょう。
本記事では、サイドの薄毛を引き起こす要因や対策を解説します。最近サイドの薄毛が気になり始めた方や薄毛を予防したい方、医療機関での薄毛治療が気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
髪のサイドが薄いのはなぜ?考えられる5つの要因
側頭部の薄毛を引き起こす要因を5つ紹介します。
- 眼精疲労・肩こり
- ストレス
- 喫煙
- 栄養バランスの乱れ
- 甲状腺機能の異常
一つひとつ詳しく解説していきます。
眼精疲労・肩こり
眼精疲労や肩こりは、側頭部の薄毛を引き起こす要因の一つです。目の周りや肩の筋肉がこわばることで、側頭部の血流が滞ってしまうのです。血行不良になると、髪の成長に必要な栄養や酸素が行き渡りにくくなり、抜け毛や薄毛を引き起こします。
パソコンやスマホを見ている時間が長くなると、目の疲れや肩こりを感じやすくなるでしょう。画面から離れる時間を作って休憩したり、定期的にストレッチしたりして筋肉をほぐすよう心がけてみてください。眼精疲労の場合は、目薬を活用するのもオススメです。
ストレス
ストレスは、側頭部に限らず薄毛や抜け毛を引き起こす要因になります。過度なストレスは、自律神経の乱れによる血行不良や心身の不調を引き起こし、髪の成長に悪影響を及ぼしてしまうのです。
ストレスを感じるものは、できる限り避けるよう心がけましょう。また、自分の中でストレス解消法を確立させておくことも大切です。たとえば体を動かしたり、お風呂でゆっくり温まったりすることでリフレッシュやリラックスにつながるでしょう。
喫煙
喫煙は、「百害あって一利なし」と言われている通り、髪の発育にも悪影響を与えてしまいます。タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があるため、血行不良を引き起こしてしまうのです。
体への影響を考慮して禁煙を検討している方は、禁煙外来の受診を選択肢に入れておくとよいでしょう。ニコチンには依存性があり、自力で禁煙するのが難しいと感じる方も多くいらっしゃいます。禁煙期間中は身体的にも精神的にも不安定になりやすいことが予想されるので、成功率をアップさせるために専門機関の力を借りるのもオススメです。
栄養バランスの乱れ
栄養バランスの乱れは、髪の毛の状態に大きく影響します。とくに食事中のタンパク質が少ない場合は、髪の毛の材料が不足してしまい薄毛につながるので注意してください。
食事は、和食中心でバランスよく食べるよう意識しましょう。糖質のとりすぎは高血糖を引き起こし、血流の悪化を招いてしまうので要注意。タンパク質も肉や魚など偏りなく選んでください。なお、日ごろの食事でタンパク質が不足していると感じる方は、手軽に摂取できるプロテインを取り入れるのもよいでしょう。
甲状腺機能の異常
甲状腺機能の異常も、抜け毛を引き起こしてしまいます。甲状腺は機能が低下した場合でも亢進した場合でも、ホルモンバランスの乱れから抜け毛や薄毛の原因になってしまうのです。
甲状腺機能に異常がある場合、むくみやだるさ、息苦しさや動悸などを感じることがあります。気になる症状がある場合は、早めに病院を受診して医師の指示を仰いでください。
髪のサイドが薄いのは病気?薄毛を引き起こす4つの疾患
側頭部の髪が薄くなっている場合、何かしらの疾患が隠れていることもあります。以下に薄毛の原因になる疾患を4つ紹介します。
- 蛇行性脱毛症(だこうせいだつもうしょう)
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- びまん性脱毛症(びまんせいだつもうしょう)、牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)
それぞれの疾患について、詳しく見ていきましょう。
蛇行性脱毛症(だこうせいだつもうしょう)
蛇行性脱毛症は、円形脱毛症が多発した結果、側頭部が帯状に脱毛してしまう病気です。円形脱毛症の原因と考えられている、自己免疫反応による脱毛と言われています。
自己免疫反応は、自分の体を異物とみなして攻撃してしまう反応のこと。放置するほど状態は深刻化する可能性があるため、気になる症状が現れている方は早めに医療機関を受診することが大切です。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
脂漏性皮膚炎は、マラセチア真菌と呼ばれるカビが頭皮に増殖してしまう病気です。マラセチア真菌は皮脂をエサにして増殖し、頭皮にフケやかゆみを伴う湿疹を引き起こします。
皮脂はもともとの体質だけでなく、偏った食生活やストレスによっても分泌が増加します。脂っこいメニューの頻度を減らしたり、適度にストレス解消したりするよう心がけましょう。頭皮のフケやかゆみが気になる場合は、早めに皮膚科を受診してください。
びまん性脱毛症(びまんせいだつもうしょう)、牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)
びまん性脱毛症や牽引性脱毛症は、女性に多く見られる病気です。びまん性脱毛症は加齢による女性ホルモンの減少、牽引性脱毛症は髪を引っ張るヘアスタイルなどによる血行不良が原因と考えられています。
びまん性脱毛症の場合は髪の毛が細くなることで、側頭部に限らず全体的に髪のボリュームが減って薄くなるのが特徴です。牽引性脱毛症の場合は、長時間髪を結んだ状態にしていることで、引っ張られたり負担がかかったりした部分の髪の毛が抜けてしまいます。毎日1日中髪を結んでいる方は、ときどきアップスタイルをやめてみるなどの工夫が必要です。
AGAで髪のサイドが薄くなる可能性は低い
AGAで側頭部の髪の毛が薄くなるケースは少ないといわれています。AGAでは男性ホルモンが変化したジヒドロテストステロンが増え、健康な髪に脱毛シグナルが送られることで薄毛や抜け毛が引き起こされます。側頭部にはジヒドロテストステロンの受容体がほとんど存在しないため、ジヒドロテストステロンによる脱毛シグナルの影響を受けにくいのです。
AGAの治療中に側頭部の髪の毛が薄くなってきた場合は、別な方向からアプローチする必要が出てくるかもしれません。まずは側頭部の薄毛を引き起こす要因に心当たりがないかどうかチェックしてみましょう。
サイドの薄毛が気になるときの対策6つ
側頭部の薄毛が気になり始めた方や、薄毛を予防したい方におすすめの対策を6つ紹介します。
- 眼精疲労や肩こり対策
- ストレス解消
- 食生活の見直し
- 禁煙
- 洗髪方法の見直し
- 育毛剤によるケア
一つひとつ解説していきます。
眼精疲労や肩こり対策
眼精疲労や肩こりを感じている方は、積極的にケアすることをオススメします。側頭部や顔周辺の筋肉が固まってしまうと、血行不良を引き起こして髪に栄養や酸素が届きにくくなってしまうのです。
仕事などでパソコンやスマホを見る時間が長い方は、時間を決めて定期的に休憩を取りましょう。休憩中は目を閉じて休め、こめかみのあたりを優しくマッサージするのがよいでしょう。ビタミンを配合した目薬も、疲れ目の解消に役立ちます。
肩こりも眼精疲労と同様、マッサージしたり肩を定期的に動かしたりしてほぐすことが大切です。湯船につかって体を温め、血流を促すのも有効です。
ストレス解消
自分なりのストレス解消法を見つけることも、薄毛対策に役立ちます。ストレスをためない生活は、髪だけでなく心身の健康にとっても非常に重要なポイントです。
趣味の時間を作ることや散歩などの軽い運動をすること、睡眠時間を十分に確保することなどをオススメします。ストレスがたまって疲れを感じたときは、自分をいたわってリラックスする時間を取りましょう。
食生活の見直し
バランスの取れた食事をとることは、髪に必要な栄養を過不足なく行き渡らせる上で重要です。炭水化物中心の食事や脂っこい食事が好きな方は、髪や頭皮の栄養不足を引き起こしてしまう可能性があるため注意しましょう。
肉や魚などのタンパク質はもちろんのこと、ビタミン類も美しい髪を保つ上で大切です。食事だけで十分な栄養素をそろえるのが難しいと感じる方は、サプリメントなども適宜活用しながら補ってください。
禁煙
タバコを吸う習慣のある方が薄毛対策を取り入れたい場合は、禁煙がオススメです。ニコチンを摂取しなくなることで、血管収縮作用がなくなり頭皮の血行促進が期待できます。
禁煙は精神的・身体的苦痛を伴うこともあるため、禁煙グッズや禁煙外来を積極的に活用してください。市販の禁煙グッズには、ニコチンパッチやガムなど複数の剤形が用意されています。禁煙外来は、専門家の指導や監督のもとで禁煙に取り組めるのがメリットです。
自分のライフスタイルに合わせて、最適な方法を選びましょう。
洗髪方法の見直し
洗髪方法を見直すことも、薄毛対策に役立つ場合があります。頭皮や髪に優しい洗髪習慣を身につけることで、毛根へのダメージを減らせるでしょう。
頭皮や髪に優しい洗髪習慣を身につけるために大切なポイントを3つ紹介します。
- アミノ酸系のシャンプーを使う
- 洗髪時は頭皮を指の腹でマッサージするように洗う
- シャンプー後の髪はなるべく早く乾かす
シャンプーに含まれる界面活性剤は、大まかに石油系とアミノ酸系に分かれます。アミノ酸系の界面活性剤を使用したシャンプーの方が、頭皮への刺激は少ないとされています。
髪を洗う際は、爪を立てずに洗ってください。シャンプーの成分による刺激だけでなく、物理的な刺激もできるだけ避けることが大切です。シャンプー後はできるだけ早く髪を乾かしましょう。濡れた状態よりも乾いた状態の方が、雑菌の繁殖を抑えられます。
育毛剤によるケア
育毛剤の活用も、側頭部の薄毛対策に役立ちます。育毛剤は、健やかな髪が育つよう頭皮環境を整えてくれるアイテムです。髪の栄養になる成分や、頭皮の血行を促進する成分などが配合されています。
育毛剤には髪を新しく発毛させる作用はありません。今生えている髪を育てたり、健やかに保ったりするためのものです。効果を正しく理解した上で、必要に応じて取り入れてみてください。
セルフケアで改善されない場合は専門の医療機関を受診しよう
セルフケアを実践しても薄毛が改善されない場合は、専門の医療機関を受診しましょう。医療機関ではAGAをはじめとして、薄毛や抜け毛が引き起こされる疾患を正しく見極め、状態に合わせた治療を受けられます。
薄毛や抜け毛には日ごろのライフスタイルが深く関与していますが、すべての要因がライフスタイルというわけではありません。なんらかの病気を患っている場合は、早期発見・治療が大切です。薄毛や抜け毛が気になっていたり悩んでいたりする方は、まずは気軽に相談してみてください。
まとめ
本記事では、側頭部の薄毛に悩んでいる方に向けて、原因や対策を解説しました。日々のライフスタイルを見直すことで改善される場合もあれば、なんらかの疾患を発症している可能性も考えられます。
改善できそうな生活習慣がある方は、まずセルフケアを実践してみてください。少しでも不安を感じた場合は、早めに専門の医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。